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【岐阜】外国人旅行者は知っている、江戸情緒あふれる『妻籠宿』の魅力

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中山道・木曽路には、江戸時代から続く宿場町が数多く点在している。

その中でも妻籠宿(つまごじゅく)は、賑わいすぎず、廃れてもなく、いい意味で江戸時代の趣がそのまま残っているような佇まいだ。そんな中、近年、欧米人の観光客を中心に人気が沸騰しているそうだ。

印象に残るような特徴的な景観があったり、他ではできない体験ができるわけではないのに、どうして彼らは岐阜の山奥に隠れた宿場町にやってくるのか。その魅力を分析し紹介する。

▼馬籠宿編はこちら

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妻籠宿が外国人に人気なワケ

岐阜県にある妻籠宿は、ほど近い馬籠宿とともに木曽路の宿場町として、日本国内では「知ってる人は知ってる」くらいのソコソコ有名な観光地だった。

しかし、近年になって海外で取り上げられることが増え、特に欧米の旅行者が急増しているのだとか。

外国人観光客向け日本観光案内サイト “Japan-Guide.com”でも、妻籠宿と馬籠宿はかなりの人気。馬籠と妻籠をセットで観光する人も多く、その間の山道、約8㎞を歩く外国人は毎年2万人に上るとも言われる。

また、こんなトンデモツアーも用意されている。
京都・三条大橋から東京・日本橋まで、全長534㎞の中山道を歩ききるという10泊11日ガイド付きのツアー。お値段は約50万円

Nakasendo Way - Walk Japan Guided Tours
Walk Japan's pioneering walking tour of Japan. An excellent, guided introduction to Japan while strolling along an historical road from Kyoto to Tokyo.

しかも年間1300人が利用し、3割がリピートしているというのだから驚きだ。

世界トップシェアの旅行ガイドシリーズの「Lonely Planet Japan」に掲載されたのも発端となって、妻籠宿という名前がかなり知れ渡ったそうだ。日本全国に有名な観光名所が無数に存在する中、日本国内の知名度と裏腹に妻籠宿はわりと大きく取り上げられている。

「世界の歩き方」をはるかに上回る情報量らしいので、日本人でも日本観光のガイドブックとして買っておいてもいいかもしれない。英語だけど(笑)

全国初の重要伝統的建造物群保存地区

外国人が中山道の宿場町、特に妻籠宿を気に入った理由として、「日本の山々や小川、田んぼ・畑、田舎の自然が好き」という声や、「日本の伝統的な建物がクール」という声がある。

確かに、妻籠と馬籠の間の山道は大自然だし、周りは山に囲まれていて景色がいい。伝統的な建物も数多く残っている。

それもそのはず。妻籠宿は、日本で最初に「この古き良き街並みを残そう」という取り組みをした地区でもある。

「重要伝統的建造物群保存地区」は、現在、全国で117箇所指定されている。
例えば、埼玉・川越の小江戸~大正の街並みや、北海道・函館港、石川・金沢の町並み、岡山・倉敷の文化地区など、伝統的な建物が街単位で残っていることが指定の条件だ。

保存地区に指定されてからは現代的な建築物は建てられなくなるので、電柱街灯は最小限しか露出せず、道路や人家もなるべく当時の状態で維持される。

馬籠宿は明治時代に火事で宿場町がまるごと燃えてしまったが、幸い大きな災害がなかった妻籠宿は、昭和中期まで多くの建物が残った。昭和43年に景観保護の取り組みがスタートし、昭和51年に重要地区に指定された。
現在まで周囲の人々や観光客の協力で、きれいな街並みを維持している。

優しい人たちと、穏やかな観光客

街の景観を住民一丸となって保管していることは理解できたけど、それだけではない。住民もまた、完全に妻籠宿に溶け込んでいるのだ。そりゃ当然だと思うかもしれないけど、観光客に見せびらかすでもなく、足元を見て利益を出そうという素振りもなく、妻籠宿の風景と生活に溶け込んでいた。

妻籠宿を訪れて、滞在時間は1時間半ほどだったが、色々な人に出会った。
偶然だったのかもしれないけど、ここで出会った人たちはみんな穏やかで優しい表情をしていた。誰もを歓迎するように笑顔で接してくれた。

笠屋のおかあさん、食事処のおねえさん、犬の散歩をしているおばさん、外国から来たおじさん、その辺をフラフラしている猫。

なるほど、自然の豊かさがあると人の心も豊かになるのかもしれない。と心から思った。
街並みを歩きながら、穏やかな気分にさせられた。

食べ物からも感じる伝統と自然

食事処やお茶処を合わせると、妻籠宿内で17か所ある。
団体でも入れる店もあり、駐車場の規模もそこまでなので、お昼時に混雑でなかなかごはんにありつけない…ということはなさそうだ。

お食事処「藤乙(ふじおと)」

昼食に入ったのは、お食事処「藤乙(ふじおと)」さん。
「いわな定食」というのが目に入ったので頼んでみた。千百円也。

近くの川で穫れたのであろう新鮮な岩魚と、自家製のつけもの、絶品のお味噌汁に、つやつやのお米。やはり日本人は和食だ。幸せを感じた。

藤乙さんでは、ほお葉味噌のステーキも名物だ。

お茶処「木ノ花屋」

また、帰り際に「木ノ花屋」さんで五平餅も買って食べた。
信州牛の串焼きやみたらし団子、こだわりのコーヒーも販売しているらしかったが、もうお腹いっぱいなので惜しみながら諦めた。

木曽・飛騨地方では、エゴマベースで醤油・砂糖で仕上げる五平餅が主流なんだとか。

香ばしい香りとおこげの食感がたまらない。隣で食べていた外国人も、思わず舌鼓を打っていた。

まとめ

妻籠宿は、馬籠宿と比べて規模は小さめで観光客もあまり多くない。
しかし、どの観光地よりもホンモノに近い古き良さを持ち、あたたかな人たちに囲まれた、自然いっぱいの豊かな場所だった。

密かに欧米でブームになっている日本の山間部散策のように、外国人の目線でもういちど日本の良さを見直してみたら、きっともっと素晴らしい場所、素晴らしい文化がたくさん見つかるはずだ。

 

▼馬籠宿編

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