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【会津若松】二重らせん階段の建築美!会津さざえ堂(円通三匝堂)の凄すぎる外観・内観写真

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国指定重要文化財にもなっている「会津さざえ堂」(正式名称:円通三匝堂・えんつうさんそうどう)。

福島県会津若松市、白虎隊で知られる飯盛山に1796年に建立された、不思議な構造のお堂。建立当時の姿を保ちながら、なんと現在でも入館料を払うことで内部を見学できるということで、実際に見に行ってみました。歴史的背景も踏まえて写真で解説します。

どうも、はしのです。
会津若松は野口英世ゆかりの地でもあるんだって。人も自然も街並みも素晴らしいので一度は訪れてほしい場所です!

白虎隊自刃の地、飯盛山

1868年(慶応4年)の鳥羽・伏見の戦いを発端に戊辰戦争が起きました。その中で会津藩と新政府が戦ったのが「会津戦争」です。

会津藩の布陣は年齢別に玄武隊、青龍隊、朱雀隊、白虎隊と分けられ、玄武隊と白虎隊は予備隊でしたが、次第に戦況が悪化し白虎隊にも出陣命令が下ります。
白虎隊は16〜17歳の男子だったそうです。

激戦の末、白虎隊は負傷者を抱えながら20人が飯盛山まで引き返すも、城下と若松城が炎に包まれている光景を目の当たりにし、結果的に自らの刀で腹や喉を切って自決しました(うち19人が亡くなり、1人が一命を取り留めました)。

そうした壮絶な物語が語り継がれる飯盛山には、正宗寺というお寺がありました。

正宗寺の当時の住職、郁堂(いくどう)和尚が建立した六角形・三層構造のお堂が「三匝堂」、通称さざえ堂です。
一説によると、和尚が二重こよりの夢を見たからという説や、レオナルド・ダ・ヴィンチが設計したフランスのシャンボール城で取り入れた二重らせん階段が蘭書に掲載され着想を得たという説もありますが、いずれも定かではないそうな。

神仏習合の正宗寺に建ったさざえ堂

日本では平安時代から江戸時代にかけて、日本古来の神道と、海外から伝来した仏教が混合する「神仏習合」という思想がありました。このさざえ堂の建てられた正宗寺も神仏習合の寺社でした。

かつては最上階に「本尊彌陀仏」、「西国三十三観音像」、「庭前の唐金大仏」などが安置されていましたが、明治元年の神仏分離令により、檀家をもたない正宗寺は廃寺となり、仏様は他寺院に移されました。そのためお寺とご本尊は現存しません。

お堂だけが残り戊辰戦争後は朽ちた状態で佇んでいたそうですが、度重なる修繕を経て、平成7年に国の重要文化財に指定されました。

登りと降りが交わらない二重らせん

お堂の階段を二重らせん構造にすると、登る参拝者と降りる参拝者が完全に分離でき、スムーズにたくさんの人が参拝できるようになる、という当時では…いや、現在でも革新的な構造が取り入れられました。

まさか未来の令和の時代に蜜にならず対面もしない構造が喜ばれるとは考えもしなかったでしょう。

お堂に祀られていた「西国三十三観音」は、お堂を一巡すれば西国巡礼(京都周辺の33か所の観音巡礼)に等しいご利益があると信じられていました。

江戸時代中期に流行った「千社札(せんじゃふだ)」という、自分の名前を紙に刷ったお札も至るところに貼られています。

傾斜はかなり急です。踊り場のような場所もないので、ものが転がったら一番下まで止まらなそうです。

和風木造建築はシンメトリーで平面的なイメージがありましたが、さざえ堂はそんな常識からかけ離れています。一度内部を見て回って、真似して作ってみろと言われたところで絶対に作れない自信があります。

こんなのマイクラじゃ絶対マネできないね。

千社札と梁のアート

そして最上階の梁に沿って貼られた千社札も圧巻の眺めです。建立当時は町奉行で禁止令が出るほど流行り一種の社会問題となっていたようですが、ここまでくると芸術に近いですね。

籠文字や寄席文字といった現代のフォントでは出ないような味のある文字と墨の黒が、和風建築とマッチしているような感じもします。

階段を降りきった最後の場所に賽銭箱が置かれているのが、個人的に良いなぁと思ったポイントです。最後に置く謙虚さと同時にお堂と観音への自信すら感じました。

この特徴的なお堂が現存していること自体貴重でありがたいことですが、建物全体が傾いたり柱と梁が外れてしまっていたりと、劣化が進んでいるのも確かです。

歴史ある土地にある貴重な文化財であると同時に、建築物としても面白い構造のお堂です。気になる人は行かれてみては。

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