日本で空を見上げると、電柱って必ず目に入ってくるんですよね。ある時はゴチャゴチャしてうっとおしく感じたり、ある時は夕日に染まった空とのコントラストがいいなぁなんて思えたり、良くも悪くも日本らしい景観に欠かせないアイテムだったりします。
景観はおろか特定の人たちにしか通行されないような路地裏って、電線がごちゃごちゃしてるうえに三輪車とか空ビール瓶が入ってる箱(P箱っていうらしい)とか、階段に小さな鉢植えが1段ずつ置いてあったりして、何とも言えない生活感で満ちている感じが僕はたまらなく好きなんです。
さらに欲を言うなら、陽だまりの下で猫が昼寝なんかしてたら発狂ものです。
そんな路地裏フェチ(足裏フェチみたいに言うな)の方々にお勧めしたいのが、広島県・尾道です。
どうも。「その子、初めて会う人には滅多になつかないのに~」という飼い犬・猫には大体なつかれるはしのです。犬猫どっちが好きかってよく聞かれますが、そんなの選べません。どっちも飼ったことないので、いつか飼ってみたい。
猫のいる路地裏の冒険に出発!
尾道は山と海の間にある手狭な場所です。海といっても対岸までは川くらいの距離で、試したくはないけど泳ぎでも行けそうな近さ。
通勤や通学先が対岸にある人も多いそうで、渡し船が当たり前のように市民の足として使われているのはちょっと珍しい光景です。
地理的には中国地方の主要都市、岡山市と広島市の中間にあり、しまなみ街道で四国との接続もある、中国地方のジャンクション的な要衝になっています。
関東周辺では絶滅してしまったレトロな電車に乗ってレトロな駅に降り立つと、目の前は海です。そして背後は山。山頂には何やらお城の天守閣みたいなものが見えます。
尾道城はただ天守閣を模しただけの展望台で、目立つ位置にあるうえ歴史的な背景がないので反感も強かったようで、現在は閉鎖され、尾道市が再利用を検討中とのこと。
ノスタルジーなアーケードを散歩しよう
駅から東側に歩くと、長いアーケードが続いていてます。アーケードから左側の路地を見ると、踏切をまたいで続く坂道、たまに見える三重塔。右側の路地を見ると海と向島(むかいしま)。日本の良さをぎっしり詰め込んだ箱庭のような空間は、実にエモーショナルな場所です。
フィルムカメラでエモエモな風景を取るにはぴったりのロケーションだと思います。
特徴的な土地柄や雰囲気ゆえに、たびたび映画やアニメなど映像作品の舞台にもなります。
写真を撮ると、どこを切り取ってもよい雰囲気に。最近は意図的に古い街並みを再現した観光地も多いですが、尾道では飾らないノスタルジー(この言い回し好き)と、観光地っぽくない地元感があってのんびり過ごせます。
歴史ある銭湯を改装したお店から、比較的新しいパン屋さんまで、アーケードはまだまだ活気があります。
千光寺山への坂道で猫とたわむれよう
尾道駅東にあるアーケードから見て、線路より北側にある山が千光寺山です。
その名の通り、中腹には千光寺というお寺があります。境内はかなりの傾斜の場所に建っていて、ちょっとしんどい階段と坂をひたすら登ると、眺めは最高です。
途中の坂道では、雨の日でもなければ「ほぼ確実に」猫ちゃんに会えます。期待しないで行ったんですが、想像以上の多さにチビリました。
みんなのんびりしてて人懐っこいです。ただ、むやみに触ろうとすると怒られます。
椅子の下がマイポジなのか、椅子に人が座っても動かない猫ちゃんも。
そして、千光寺山へ登れるルートはたくさんあります。
行きと帰りで違う道を通れば、いろいろな出会いがあると思います。それに、少し違う道を通っても景色がいいのと、ほとんど同じところに出るので迷う心配もありません。
意外なところにおしゃれな小道やカフェ、神社や猫に出会うかもしれません。
中腹にある、国の重要文化財に指定されている天寧寺三重塔は見事な面持ちです。
尾道市街と、割くように走る山陽本線の線路、そして奥に見える橋は、向島に繋がるしまなみ海道。
ここからの景色は、すごく尾道らしい景色だとよそ者ながら感じます。
ロープウェイで瀬戸内を一望しよう
坂を登るのは厳しいっ!って人も、市街地の山麓駅から山頂駅までのロープウェイが出ています。
尾道駅からは若干離れているので結局歩くかタクシーを使うことになるけど、尾道駅からアーケードをずっと進むと山麓駅に着くので、散歩しながら利用できます。
千光寺山ロープウェイ
運賃 | 大人(中学生以上) 片道:320円 往復:500円 子供(小学生以下) 片道:160円 往復:250円 |
営業時間 | 09:00~17:15(15分間隔で運行) |
電話番号 | 0848-22-4900 |
マップ |
山頂につくと、すぐに無料の展望台があります。
見てください!!この絶景!!
(クリックで拡大できます。拡大しすぎます。)
十分歩いても登れる山なのに、景色は驚くほど良いです。
尾道と向島の間にある海「尾道水道」や、昔ながらな建物が多い尾道市街、造船所、船、向島のむこうにもたくさんの島が見えて、天気が良ければ四国まで見えるんだとか。
僕はチャレンジしませんでしたが、夜景も素晴らしいらしい(ロープウェイは夜間の運行はしていないので、十分注意して歩いてください)。
ちなみに、尾道にも「恋人の聖地」があります。恋人の聖地って全国に一体何箇所あるんだろう…
イタリアのヴェッキオ橋みたいに、絵馬の代わりに南京錠がつけられるみたいです。
お好み焼き、牡蠣、尾道ラーメン…グゥ~
山に登って疲れたら、商店街でグルメ!
瀬戸内といえば海鮮、広島といえばお好み焼き、尾道といえばラーメンですね。
商店街にはチェーン店はほとんど見かけませんが、新鮮な牡蠣が食べられるお店や、家族経営の鉄板焼の店、有名な尾道ラーメンのお店など、その場でしか食べられないグルメがたくさんあります。
朱華園の中華そばは地元の人達からも愛されていて、平日でも開店前(11:00)から行列ができます。
おいしいスープとチャーシューは尾道に来たら外せない一品!
朱華園
営業時間 | 11:00~19:00(木曜定休日) |
電話番号 | 0848-37-2077 |
マップ |
まとめ
知的で文化的で大人な雰囲気漂う尾道ですが、決してマニアックな地ではありません。
カメラ女子から、カップル、おじいちゃん・おばあちゃんまで(バリアフリーとは言えないけど…)誰もが魅力を感じる場所だと思います。
広島観光、岡山観光や、四国観光のついでにも十分足を伸ばせる場所です。是非尾道の独特な雰囲気を肌で味わってみてください。