最近になって全国各地で続々と「観光列車」の導入が始まってきています。
地酒とおつまみを楽しみながら、富山県のJR氷見線・城端線を走る観光列車『べるもんた』に乗ってきました!感想をまとめます。
どうも。小さい頃はトーマスが大好きで電車にハマったせいで、「たっちゃん」だったあだ名が「てっちゃん」になりかけたはしのです。今でも電車は好きです!
(鉄ちゃんではないので一部記載に誤りがあるかもしれません。優しくご指摘くださるとありがたいです)
観光列車ってなに?
1983年、現JRの日本国有鉄道が「ジョイフルトレイン」という名称で臨時列車を走らせたのがきっかけでした。
一般の路線を使って、主要都市から観光地などに向かって走る臨時や休日限定の列車で、通常の運賃と指定席券を購入したり、観光列車が旅程に組み込まれたツアーに参加することで乗ることができます。特別な外装が施された車両で、景色のいい座席や畳敷・サロンがあるのが特徴で、料理やお酒を楽しめるものも多くあります。
外国人観光客などにも評判が良く、最近になって再び急激に流行りはじめた観光列車。JRだけでなく大手私鉄・第3セクターなどでも導入が始まっていて、地方創生に一躍買う存在になりそうです。
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『べるもんた』に実際に乗ってみた
先日行った北陸(富山・石川)旅行の行程のひとつに、富山の観光列車「べるもんた(ベル・モンターニュ・エ・メール)」に乗るというプランを組んでいました。美しい山と海というコンセプト通り、車窓からは日本海・富山湾の絶景が見られる路線ということで、絶景を写真に収めるべく、事前に予約をして乗車しました。
もともとは北陸新幹線の開通と合わせて(正確には北陸ディスティネーションキャンペーンに合わせて)約半年間限定で走行を予定していた べるもんた ですが、人気の高さゆえなのか、2019年3月現在も運行は継続されています。
べるもんたは氷見線の氷見駅〜高岡駅、高岡駅で城端線にスイッチして新高岡駅まで向かう土曜ルートと、高岡駅から新高岡駅を経由して城端線の城端駅まで向かう日曜ルートがあります。運行は週にこの2日しかなく、祝日もお休みです。
また、1つの編成はなんと1両だけで、1日のうち運行されるのもたった2往復なので、乗れる人がかなり限られる観光列車なのです!
氷見駅を11時05分に出発
10時50分頃氷見駅に着くと、そこには深緑のボディにゴールドが輝く、いかにもゴージャスな車両が停車していました。
べるもんたの車両は キハ40-2000形 という気動車で、国鉄時代に製造された非電化路線用の車両です。外装こそ新しいですが、車両自体は昭和54年に製造されたもの。そして、石川県の観光列車「花嫁のれん」の車両や、映画『鉄道員(ぽっぽや)』に使用されたものと同じ形の車両です。どおりで味があるわけだ。
JR氷見線ではSuicaなどのICカードには対応していません。券売機で乗車券を買い、1か月前に予約しておいた指定席券を改札で入って入場します。乗車前に記念プレートをもって写真を撮ってもらえます。なので乗車前は余裕をもって来ておきたいですね。
車内は最大39名の乗客のほかに、運転手さん、車掌さん(氷見線は普段はワンマンなので車掌さんはいない)、にぎり職人さん、浴衣のお姉さんとエプロンのお姉さん、ガイドの人が乗り合わせています。
皆さん、とてもニコニコ対応してくれます。さすが、富山を代表する観光列車。ホスピタリティ高めです。
車内は木を基調とした装飾です。細かいところまでこだわっているようでした。
つり革は沿線の伝統工芸品「高岡銅器」をイメージしたもので、富山県南砺市の伝統工芸品「井波彫刻」も車内に8作品が展示されています。
発車すると、気動車特有の重厚感のある音とともにゆっくりと動き出します。ガイドさんが色々話していた気がしますが、この時点でワクワクしすぎて全然聴いてませんでした。
後で調べてわかったんですが、このガイドさん、地元の観光協会のボランティアさんなんだそうです。確かに話口調がとても嬉しそうで、「好きでやってるんです」という感じが伝わってきていたわけです。ちゃんと聞いとけばよかった。
地酒におつまみのついた「ほろ酔いセット」を車内でいただく
指定席券の購入とは別途、ネットで地元の日本酒の飲み比べセットやお寿司、おつまみと日本酒のセットなどの予約ができます。
べるもんたの乗車自体は「通常運賃¥320+指定席券¥520」だけで出来、路線の距離が短い分安く乗れちゃうんです。せっかくなのでお酒を飲みながらのんびり車窓を眺める旅がしたいじゃないですか。
ということで僕もほろ酔いセットを予約していました。
発車して間もなく注文を聞かれ、着物を着たお姉さんが日本酒を持ってきてくれました。数種類の富山の地酒のなかから僕は「太刀山(たちやま)」をオーダー。酸味の中にある辛みが非常にスッキリしていて、お酒に強くない彼女もついつい杯が進んでしまうほど、飲みやすくも特徴のあるおいしい日本酒でした。
おつまみのほうは、富山名産のホタルイカと、富山名物の昆布で巻かれたかまぼこ、アジ(?)の干物、そしてしろえび小判せんべいでした。これ全部セットで1500円。観光地価格ですが、ここでしか味わえないし、なにしろ乗車自体が安いので問題ありません。
氷見海岸沿いで停車してくれます
雨晴駅を発車すると、海岸線が間近になってきます。ここからが氷見線最大の見どころです。雨晴海岸からは天気のいい日は立山連峰が見え、この「海を挟んで標高3,000m級の山が見える景色」というのが世界で3ヶ所しかないらしく、有名な場所です。今日は残念ながら曇っていて立山は見えませんでした。
ちなみに、べるもんたの予約に関して、致命的な点がここで露呈します。
「指定席券なのに座席は指定できない」
んです。
氷見線の場合、北側(高岡行きの場合は進行方向左)の席は日本海を大きな窓で見られるんですけど、逆の席は大した見どころがない普通のボックス席。全然見えないわけではないですが、いくら北側がいいと思っても、券売機で発券された切符を見るまでは自分の席がわからないのです。。
そして僕が必死こいて朝の券売機に走って手に入れた切符は、安定の南側でした。車内の様子が俯瞰的に見られてありがたいですけどね!?
上が雨晴海岸にある名所、「女岩(めいわ)」です。
この場所は駅ではないので普通列車は止まりませんが、べるもんたは線路上で1分くらい停車してくれます。中から撮る側も、べるもんたと女岩を撮る人たちもハッピーな瞬間です。
高岡駅に11時38分到着
雨晴海岸からは海岸沿いではなくなり、住宅街や工場地帯を通過します。車窓を眺めるのは一旦やめ、日本酒とおつまみを残さないようにチビチビ食べます。
途中、万葉線高岡軌道線というトラムとJR氷見線の線路が立体交差する場所を通過します。全国的にも珍しいらしく、ガイドさんのテンションも上がります。
「これです!この橋です〜」って言ってたけどよく分かんなかったー!なんて話をしてたら、まもなく高岡駅に到着です。
えっ…!!
はい、高岡駅に着きました。
展開が早いと驚かれるかもしれないですが、僕が一番驚きました。想像以上にあっちゅーまでした。日本酒飲んで写真撮ってたら終わってました。
このあと新高岡駅まで行く人は、ベルモンタに乗ったまま高岡駅内でスイッチバック(線路切り替え)を体験します。新高岡駅では北陸新幹線と城端線に乗り換えられます。が、7割くらいの人が高岡駅で降車してました。
どうせこのあと金沢まで行くので、新高岡駅まで行って新幹線に乗ればよかった・・・交通費をケチったせいで物足りなさがじわじわとこみ上げます。
惜しみながらもべるもんたから降り、スイッチバックはホームから観察しました。とはいっても、結構遠くのほうでスイッチバックしているみたいで、ホームからはほとんど見えませんでした(笑)
さいごに
本数の少なさと路線の短さに目をつぶれば、べるもんた、かなり良いです。
おいしい北陸の海の幸や日本酒を楽しみつつ、世界有数の絶景から日本海を眺められるという実に富山の良さを感じられる観光列車だと思います。若い乗務員さんたちの笑顔やおもてなしは、外国人やご高齢の方にも喜ばれることでしょう。
親孝行旅行にも使えそうな観光列車、いかがでしょうか!
▼北陸のたび富山・氷見編まとめはこちら