「オーストラリアに生息するコアラの1/3が死亡した」というショッキングな情報からも凄惨な状況が伝わる、オーストラリアの森林火災。
実際にどこが消失したのか、観光地の被害状況はどうなのかをまとめました。
記事執筆時点(2/9)は火災が続いていましたが、2/11に鎮火したため加筆修正しています。
僕は2019年5月にブルーマウンテンズに行きました。当時は一面の森林に感動しましたが、現在は少し状況が違うようです…
森林火災被害マップ
最新の被害範囲はこちらのサイトで確認できます。
オーストラリアの森林火災は自然発火により毎年発生していますが、2019年は記録的な少雨・乾燥・高温・熱波などがあったことから、9月頃からニューサウスウェールズ(NSW)州をはじめとして森林火災が頻発しました。
次第に範囲と威力を拡大させ、延焼範囲は10万平方キロメートル(韓国の国土面積とほぼ同じ)になりました。
ニューサウスウェールズ州は大都市・シドニーや首都・キャンベラを有する州。居住地区からほど近い場所での大規模森林火災。シドニー周辺の延焼は収まりつつあるものの、市街地にも煙や大気汚染の被害があり、市民の不安も相当なものでしょう。
観光地・ブルーマウンテンズは大丈夫なのか?
シドニー郊外にある観光地、ブルーマウンテンズでも火災の影響が散見されました。
ブルーマウンテンズの観光拠点となるカトゥーンバという街には直接的な火災の被害はなく、スリーシスターズなどを眺めることができるエコーポイントは通常営業しているものの、風向きによっては煙でほとんど眺望がなかったり、山から煙が立ち込める様子が見えるとのことでした。
2/11現在、豪雨によりシドニー・ブルーマウンテンズ周辺の火災は鎮火したとのことです。ブルーマウンテンズの営業情報(日本語)はこちらのサイトで確認できます。
国連の記事に掲載された画像も衝撃的でした。ブルーマウンテンズから見える広大な森林から巨大な煙の柱が立っています。これは噴火の画像ではなく、森林火災です。
火災の最新状況と見通し
今回の火災により5900棟以上の建物が被害を受け、人間が29人が亡くなったばかりか、コアラは国内の1/3が亡くなったという情報もありました。動物全体の被害は12億5千万匹といわれています。
また、足を火傷して歩けなくなったカンガルーに対し、銃による安楽死をさせる取り組みも行われています。
30年ぶりの恵みの大雨により鎮火
今月7日、ニューサウスウェールズ州で大雨となり州内の1/3が鎮火。
BBCニュース – 森林火災に恵みの大雨、州内3分の1が鎮火 オーストラリア https://t.co/THNZqZW74u
— BBC News Japan (@bbcnewsjapan) February 7, 2020
これにより洪水などの別の災害も引き起こしましたが、数日間続いた大雨により、ついに11日にすべての森林火災が鎮火したというニュースが入りました。
豪シドニー、30年ぶりの豪雨で洪水 森林火災は鎮火 https://t.co/o1yHQlJnHD
— cnn_co_jp (@cnn_co_jp) February 11, 2020
先の見えなかった消火活動でしたが、30年ぶりの記録的大雨により、記録的大火事は収束しました。異常気象による災害が災害によって収まるのは、少し複雑ではありますが。
日本やオーストラリア旅行者への影響
日本への直接的な影響は「今後の暖冬を招く恐れがある」こと。寒いのが嫌いだからいっか!というわけにもいかず、異常気象による様々な二次災害の原因にもなります。
シドニー市内では火災による視界不良や大気汚染による健康被害も考えられます。最新のシドニーの大気汚染情報はこちら(Aqicn.org)で確認できます。
それ以外にも、市民の精神的ストレスだけでなく、1月から流行している新型肺炎により現地住民のアジア人への差別・偏見が発生していることも考えられます。
しばらくシドニーへの渡航は控えたほうがよいかもしれません。
※ 記事には個人的な見解も含まれるため、最新の公式情報を照らし合わせ慎重に行動してください。
自分たちができること(寄付)
鎮火したとはいえ、オーストラリアの住民や動物たちの負ったダメージは計り知れません。日本にいる自分たちにできることはやはり「募金」です。
ここでは、ネットで募金でき、信用できる寄付先を紹介します。紹介するもの以外にも、現地消防士や被害者を支援する募金も多数設置されていますが、必ず信用できる寄付先か判断して募金してください。
▲Yahoo! ネット基金
Yahoo! を通じてWWFに募金されます。
▲世界自然保護基金(WWF)
寄付の使いみち:野生生物の保護、生息地の回復、長期的な対策
※WWFの募金はファミリーマートからも行えます。
全国のファミリーマートで、マルチメディア端末「Famiポート」を利用した「Famiポート募金」を実施していますが、今年の2月1日(土)から29日(土)までにご協力いただいた募金は、全額オーストラリアの森林火災への支援に充てさせていただきます。
— WWFジャパン (@WWFJapan) February 6, 2020
是非、ご協力ください!https://t.co/B26WwFA8fD pic.twitter.com/fbbHSJpLzd
▲コアラ基金
コアラのマーチの売上やコアラ基金から、オーストラリアのコアラ保護の取り組みに参加できる。