一人旅に出よう。
大学3年生になってから、授業が減って暇になった。
大学って、高い金を払ってる割に1年間で取れる科目数に上限があったり、受講者数に制限があったりするんだよね。
でも、卒業まであと1年ちょいしかない。
社畜人生へのカウントダウン。
平日の昼間から大手を振って歩ける権利があるのも今だけなんだ。
そう思ったら、旅にいくしかない気がしてきた。
ついに、実行する時が来た。
行き先の選定
前々から青春18きっぷを使って、四国・中国地方にでも行こうと思っていた。
1週間くらい使って、大阪から兵庫⇒広島⇒愛媛⇒香川⇒大阪と、西日本を満喫するプラン。
ただ、ちょうど2か月後に部活の旅行があった。行き先は関西方面。
じゃあ、被ったらイヤだしやめとこう。やめた。
で、いろいろ予算や行きたい場所で絞りをかけてみて、最終的に決まった場所が、台湾だった。
えっっ?
中国地方でも中国でもなく台湾の飛行機を取っていた。
核心的な理由は自分でも不明。
ただ、行くと決めた以上、行こう。
宿・交通手段の類は現地でなんとかなるだろう、と。…いやいや、これは過信や油断なんかではない。
ちょ、挑戦だ…!!
一人旅をするにあたって、目的も決めた。
・台湾料理を堪能する
・心に従い冒険・挑戦してみる
・海外旅行を5万円以内で実現する
そうして、ホテルも計画も決めず、リュック1つで旅をすることに決めた。
このとき、出発の11日前だった。
出発までの準備
準備という準備は特になく、
さすがに主要観光地くらい知っておこうと思って買ったガイドブックと、
いざというときのために中国語も覚えた。
「不好意思:ぶーはぉいーすー」⇒すみません
「不要:ぶやお」⇒いりません
以上。
「いくら親日な台湾とはいえ、客引きとか物乞いとか、ゼッタイ日本人にしてくるやろ!」
とおもったので、とりあえずネガティブな事だけ考えていた。
結論から言おう。
台湾旅行で僕が使った中国語は
だけだった。
出発前日の夜は全然眠れなかった。
楽しみなのと、不安で。
実は、これが初めての一人旅だった。
初めての一人旅。思い切って海外を選んだのは、果たして吉と出るのか、凶とでるのか。
これぞ、神のみぞ知る云々。
11:50 新宿駅
家から高速バスで新宿へ行って、ビックロに寄ったり定食屋でご飯を食べた。
すげぇ!都会だぁ!!と素直に思った。
新宿からは普通列車で成田方面まで向かったけど、
時間に余裕を持ちすぎたので、成田山にも寄ってみた。
街はきれいに整備されて、外国人が4~5時間トランジットで寄るにはちょうど良さそうな雰囲気だ。
いいにおいのお店や屋台があったので、ちょっくら食べ歩こうかと思ったけど、結局駅前のマックに入ってしまったのは秘密。
15:40 成田空港
空港に着いた。
が、ターミナルを間違えた。
成田空港へ向かう鉄道は、JR成田線と京成本線がある。
僕は京成本線、成田空港駅に何食わぬ顔で降り立ったのだが、実際に降りるべきだったのは空港第2ビル駅だったらしい。
無数にある航空会社のリストから、自分が搭乗する航空会社を見つけてターミナルやらウイングを確認しなければいけないなんて、なんという手間。
運よく、目の前にターミナル間を行き来する無料バスが来ていたので乗り込んだ。
乗客は中国人ばかりだった。
到着した第2ターミナルで、自分の乗る航空会社のロゴを見つけた。
チェックインの列に並ぶも、そこにも中国人しかいなかった。
ああ、私は今から台湾に行くのか。
郷に入ったら郷に従わないとなぁ。
空港に行った時の定番、展望台で飛行機を眺めながら写真を撮った。
あたりはもう真っ暗だった。
展望台で別れを惜しむカップルが、なんともエモく、センチメンタルな気持ちになった。
そんなこんなで時間をつぶしている間に、搭乗時間になり、飛行機に乗り込んだ。
前、韓国に行ったときは搭乗開始時間と出国審査開始時間を間違えて危うく乗り遅れるところだった。
当然だけど、放送されてしまい恥をかいた(アルアルだけど非常に申し訳なかった)。
ので、今回は時間に余裕をもって搭乗した。
しかし。当たり前だけど中国人(台湾人?)が多い。
彼らの荷物は尋常じゃないほど多い。
手荷物も持ち込み可能重量のギリギリまでもってくし、預けるキャリーバッグも「それ日本に売ってる!?」って位デカい。
そして。当たり前だけど声が大きいし、小言が多い。
でも今回は自分から飛び込んでいくんだから、ガマンというか、慣れるべきだよなァ…
21:40 成田空港 出発
離陸し、千葉県の山奥の夜景を少し楽しんだのち、機体は雲の中に入っていった。
成田から台北空港のフライトは約4時間。
チェックインの時に窓際を頼んでみたら、窓側を用意してくれた。
しかも隣には誰も来なかった。
おお、これは快適だ!
それぞれの座席に画面があり、映画・ドラマ・音楽が楽しめるようになっていた。
最近では個々でタブレットやスマホで映画を見る人が多く、機体重量削減のためにディスプレイのない機体も増えているんだとか。
機体が安定したので、日本語吹替版の洋画を見始めた。
そして機内食が来た。
飲み物を聞かれたので、元気よく「ビア!」と答えた。
待ちに待った、ビール…!まだ旅は始まったばっかりだけど。
台湾ビール…!その辺のスーパーでも売ってるけど。
伊豆諸島上空あたりで、僕は台湾ビールを喉の奥でじっくりと噛みしめた(パワーワード)。
機内食は豚肉の炒め物とアスパラ、人参、ごはん。
デザートにレーズン入りアップルパイとアボカド?みたいなリンゴ系のフルーツ。
感想としては、若者言葉で恐縮な表現だが、「普通においしかった」。
上空ウン千mで温かくバランスのとれたご飯を食べさせてもらえるのである。
マズイなんて言える立場ではない。
映画が終わったころには、鹿児島上空あたりだった。
眠れないので音楽を聴いたり、テレビ番組を観ながら時間を潰した。
お湯をもらい、一口飲んだ。マズイ。
そういえば、台湾では選挙が話題になってたなーと思い出した。帰りの飛行機で台湾の新聞をお土産代わりに貰っていこう。
どうでもよい思考がめぐり出し、次第にウトウトしはじめた。
その途端、ポンッとベルトのランプが点き、着陸態勢に入った。
24:30 桃園国際空港 到着
天気は小雨混じりの曇、気温は13度。
時差は日本より-1時間。
入国審査に向かう途中、早速漢字ばっかりでだんだん不安になる。
空港の国際線ターミナルにも関わらず、表記が中国語・英語のみとは…
入国手続きを済ませ、24時間営業している両替所で日本円を台湾ドルに替える。
目標で述べたように、出費は目標5万円。現金は最低限にして、可能な分はカード、足りなくなったらATMでおろすという流れにする。
桃園国際空港から台北市街まではある程度離れている。
向かうには台灣高鐵(新幹線みたいな立ち位置)か、バス、タクシー。
(2017年3月からはMRT=地下鉄も開通したらしい。バリ便利!)
深夜だし、選択肢は限られるので、とりあえずバスチケットを買う。
「タイペイ、ワン… ぇー…カタミチ!」
台北行き夜行バス片道1枚が買えた。
バス内には日本人グループが数組いた。
台湾にきたというのに、いつも聞いているような会話が耳に入ってきてしまうのは、なんとも不快だった。
小雨のせいもあって車内はジメジメしていた。それが不快さを増長させた。
幸い、約1時間の予定のところを40分もかからず台北駅に着いた。
そして着くころには、少なからず日本人グループから台北のオトク情報を聞き出せた。
25:30 台北駅
駅の東側で降りた。
首都の中心だし、日本でいうところの東京駅にあたるところなんだろうけど、深夜ということもあって、道路は時々タクシーが通るくらいで、人影はなかった。
駅前の大通りはかなり広い。地下道でもあるのだろうかとフラフラしていたら、ホームレスをたくさん見かけた。
どこの都会も同じだ。
結局、普通に横断歩道があって渡れた。
自分のスマホはSIMフリーじゃないし、モバイルルータも借りるのが面倒だったので、情報的に無防備な旅だった。
GPSは繋がったから、道のりはなんとか大丈夫でしょ。
駅近くに安いドミトリーを見つけた。
きらびやかなロビーに恐る恐る入って、チェックイン。できた。
会話は全て英語だったが、わかりやすく丁寧に説明してくれた。(おかげで3割くらい理解できた)
シャワーを浴びて、宿のWi-Fiを繋げて、そこはかとない幸せを感じた。
ドミトリーなのでベッドは2段ベッド式。数人と同じ部屋で寝ることになる。
(画像は防犯カメラみたいだけど、2段ベッドの上から撮った部屋)
運悪くいびきが大音量な人と同じ部屋だった。が、安い宿なので仕方ない。
とはいっても時間はもう2時だし、疲れもあったのですぐに眠れた。
1日目の宿 | Diary Of Taipei 台北駅 |
住所 | No. 33, Section 1, Kaifeng St, Zhongzheng District, Taipei City |
電話番号 | +886 2 2388 5828 |
▼つづく(2日目・前半へ)
▼当時作った動画