デュアルモニターにして「効率」と引換えに失った大切な時間

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

男なら誰もが憧れるもの。

デュアルモニターとか、トリプルモニター。とにかくデカいディスプレイなだけじゃだめで、何枚か並んでるのがキモなんですよね。画面がいっぱいあると司令塔みたいでカッコイイし、左の画面で作業しながら右の画面でYoutube見るみたいに、画面で役割を分けることで効率的に作業ができて便利になります。

僕はずっと、2画面、3画面…と作業領域を増やすことで、時間の過ごし方も能率も上がると思っていました。

       

ノートPC(1画面)時代

僕は社会人になって8ヶ月間、会社の寮で生活しました。

寮といっても一人一人に部屋が与えられていたわけではなく、3DKの古マンションに、成人男性4人が住むというなかなかカオスな状況。僕のプライベートな空間は6畳の部屋に置かれた2段ベッドの上の段だけ。もちろん同世代の仲間との共同生活は楽しかったけどしんどい時も多かった。笑

その8か月の間、14インチのノートパソコンだけが僕の作業空間でした。だけといっても、ノートパソコン1台あればスマホではできないことは十分できます。ただ、自分のスペースはベッドの上だけなので、基本マウスは使えなかったし、致命的なのは解像度がビミョウ(WXGA+/1440x900px)で、1つの画面の作業域は1つだけで、頼まれた結婚式の映像を作ったり、写真の編集をしたりするには厳しかったのです。つまり、僕にとって非常に窮屈なデジタルライフでした。

不自由な生活で手に入れた文化的な毎日

窮屈な反動か、寮にいた間、僕は驚くほど文化的になりました。

毎日満員電車に1時間半くらい乗らなければならなくなったし、帰ってもひとりの時間はないし、なによりパソコンの画面も小さくなりました。
大学時代に山梨でのんびりと自由に暮らしていたので、この変化は精神的にも肉体的にも大きなストレスになります。

ただ、そういう不自由な暮らしに適応するように、僕の暮らしは変化していきました。

満員電車では本を読み始めました。1年に1冊読むか読まないかの僕が、ペースは遅いながらも1週間に1冊くらい本を読むようになりました。
休みの日はやることがなく退屈だったので、通勤定期の区間にある街を探索したり、電車の広告で見かけた国立新美術館のミュシャ展に足を運んだりしました。柄にもなく一人で絵を見に行って、大きな大きなキャンバスに細かく躍動的に描かれた絵に、心から感動し、その感想を彼女に手紙をつづりました。

そして不自由な8ヶ月間が過ぎ、寮を出ます。そこから、低かった生活レベルは格段に向上します。常に生活を共にする人はいないし、フカフカで広いベッドを買ったし、キッチンも清潔で広いし、パソコンもデュアルモニターにしました。効率はもちろん、すべてが好転するはずでした。

でも、そのときから読書の頻度は格段に落ち、知らない街の探索も、思いつきで美術展に行くこともなくなってしまった。

2画面にして生活の質をあがったのか

「家に帰ったらなにしてるの?」
これ、上司や先輩によく聞かれません?そして答えに困りません?

僕の場合、平日の夜、家に帰ってからのルーチンはこんな感じです(寮を出てから)。

夕飯を作って食べながら、Youtubeで実況動画とかMVを見るか、Amazonビデオで映画を見て、写真の整理やレタッチをして、ブログを更新して、メルカリに出品する商品の梱包をする。

考えてみたらいろいろやってました。

マルチタスクをこなそうとして、結局どれも終わらず中途半端になってるなあって。「サッカー観戦してます!」とか、「ギターの練習してます!」とか、何か一つに打ち込んで時間を割いてるものって、今はなくなっちゃったんじゃないかと最近思い始めました。

僕はデュアルモニターにしてから、2時間の映画すら、集中して鑑賞できなくなってしまったんです。

生産性や生活の質が向上したのかと言われると正直微妙なところ。

結局、モニターは何枚がいいのか?

▲左で作業、右は実況動画やアニメを垂れ流し、みたいな使い方をよくしている。

WEBデザインをするときにメインディスプレイでコードとスマホ表示のプレビューを表示して、サブディスプレイでPC表示をプレビューしておくみたいな使い方をするときは本当に2枚あると便利で、いろんな情報をたくさん表示させておきたいときにも効率的なのは間違いありません。

でも、ディベロッパーのCory House氏はこんなことも言っています。

Humans can only focus on one thing at a time. So why are we spending money to display multiple things simultaneously?
(人間が一度に一つのことを行えます。ではいくつものディスプレイで表示するためにお金を払うのはなぜでしょうか?)

彼は仮想デスクトップなど、別の効率化の方法も提案しています。
なるほど、単純に画面の領域を広げることだけが効率化ではないことに気づいている人もいるのか…。
「デュアルディスプレイやめました」みたいな記事も、調べるとたくさん出てきます。”勉強は家じゃなくて図書館じゃないと集中できない”っていうのもその理論なんじゃろか。いろいろ雑念が入ることでメインでしたかったタスクがなかなか終わらないっていうの、あるあるですよね。

だからといって、僕はすぐさまデュアルディスプレイをやめようとは思っていません(モニターがもったいないっていうのもあるし)。
集中できなくなったのは確かだけど、対処法はあります。集中したいときは片方の画面を切ったり、そもそも帰ってから必ずパソコンをつける癖をやめればいいんです。

人による、と言ってしまえば当然それまでなんだけど、画面を並べて並列で作業する方法と、集中して1つずつの作業を消化する方法、どちらに合うかを考え直してみるのはどうだろうか。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

特集

▲【最新作・おすすめ】超チャレンジングなオーストラリア12日旅

『HASH TRIP』マップ

このサイトで紹介した記事が地図上でご覧いただけます