3日目の夜と4日目編。
九分から台北市外へ帰るバスの中で、
手持ち残金:55元(200円ちょい)
悠遊カード:90元(350円くらい)
しか持ってないことに気付く。
果たして僕は無事帰ることが出来るんだろうか…?
17:00 生還
九分から台北まで、1時間半くらいかかった。忠考復興駅前でバスは停車した。
状況がよくわからなかったが、乗客がゾロゾロと降りていくので、ここで到着らしい。悠遊カードの残高だけで降りられるかわからんが、こうなれば捨て身である。
…とりあえずかざしてみよう。
ピッ
通った!!!
駅の改札で90円しか残高がないSUICAで入場しようとした時のように「バンボーン!!」と警報音を発することなく、スッと、至極平然に通過し、降りることができたのである。
運賃は75元だった。
あぶねー!!!ってか安ぅ!?
目から鱗だった。1時間も乗ったバスの運賃が300円くらいなのだ。
台湾の交通機関は一体どこから利益を捻出しているのだろう…
これは下調べ不足が招いた惨事だった。でも、僕はあの瞬間、2週間ぶりのお通じのような快感と達成感を感じた(便秘になったことないけど)。
なにはともあれ、マクドナルドの注文、バスの支払いと、2回のたいしたことない窮地を乗り越え、台北市街に帰ってくることが出来た。生きて帰って来た。
バスの運賃は75元と書いたが、2018年現在、ググってみると102元とか90元とか書いてある。2年の間に値上げした可能性もあるけど、旅行中に書いたメモを参考にしながら記事を作っているので、あんまり参考にならないとおもう。
バスから降りて、すぐにATMに向かった。
最終日は特に出費の予定もなかったが、いざというときのためにおろしておこう。ATMでも若干手こずったが、問題ない。今の僕に解決できない問題などないのだ。1000元をなんなくおろし、早足にMRTに乗って再び西門へ向かった。
17:30 チェックイン
3日目の宿は、2日目の宿にいるときに予約をしておいた。
2日間は安いドミトリーに泊まって、最後の宿はちょっと贅沢をして個室にしようと思ったからだ。なにより、疲れたから一人でくつろぎたくなった(笑)
宿について、すぐにシャワーを浴びた。
靴のなか、ジーパン、かばんの中、全てがグショグショだった。移動中は不快指数がMAXだったし、体力は持っていかれるし、カメラもビニール袋でカバーしたけどあんまり意味ないし、不快指数MAXだったし(2回目)。次の旅では雨対策を万全にしようと、今回の旅で学習した。
3日目の宿
卡楽町旅店 Colormix Hotel & Hostel
着替えて、濡れた服は部屋に干してみる。…あんまり意味ないんだろうなぁ。
靴をドライヤーで乾かして(ホントはダメ)、すこし休んで、生乾きの靴を履き直して街へ出た。
何回目の西門かわからないが、今回の旅のホームグラウンドとして選択したのは間違いではなかった。食べ物、宿、移動、すべてに困らない。
そういえば、台湾ラーメンをまだ食べてなかったなァ。
というか、台湾料理っぽい台湾料理をあんまり食べていない気が…
20:20 夕食(牛肉麺)
西門を歩くと、あちこちにラーメン屋がある。
ただ、なぜかどこも日本のラーメン屋、あるいは変な日本語が書いてあるメイドイン台湾のラーメン屋ばっかり。ラーメンといったら日本、というくらい台湾ではポピュラーらしい。
そんな中、三商巧福という店を見つけた。
店構えや内装はいかにもファストチェーンで、松屋みたいな雰囲気。ただ、台湾らしいラーメンを食べられそうだったので入ってみることにした。
メニューが色々あったけど、全部漢字だったので、「ポピュラーメニュー」と頼んでみた。迷惑だよね。
席について1、2分で料理が出てきた。
おぉ、昨日の夜市でオバちゃんにもおすすめされた、ニュウロウ(牛肉)麺だ!
生肉のようなプリプリした肉と、ネギ、平たい麺、中華だしなスープという感じで、うどんのような食感。うまい。
ついでに、おまけで出てきた漬物みたいなのが、想像以上にうまかった。
小を頼んだのに、食べ終わる頃には結構お腹にたまっていた。
西門にも、夜になるとどこからともなく屋台が出店し始める。
匂いも見た目もおいしそうなホットスナックの店が軒を連ねていて、歩いているだけでお腹が減ってくる。
ネギが乗った唐揚げ(100元)がおいしそうだったので買ってみた。ついでに、コンビニでPremium台湾ビール(37元)を買う。
買って思ったが、今回の旅でお酒というお酒は台湾ビールしか飲んでない。もっといろんな種類の台湾の酒を味わってくるべきだった。次来た時は、夜の繁華街を飲み歩くのもいい。
台湾ではお酒は18歳から。
ちなみに僕は当時、20歳と3か月だったので日本的にもOKだよ。
21:15 晩酌
部屋に戻ってきて、テレビをつけると「あたしンち」が放送されていた。
あまりにも不意で、AbemaTVが映ってるのかと思ったけど、ちゃんと台湾の放送局で放送されているものだった。
ちゃんと台湾語で吹き替えされ、字幕もついて、「あたしンち」というタイトルも「我們這一家」と漢字になっていた。
調べてみると、台湾では大人気らしい。「我們這一家」では、「お母さん」が訛りの強い台湾語を話し、話の内容も台湾人向けにアレンジされているんだとか。
それから、子供向けの教育番組もやっていた。中国は小さいころから難しい漢字を覚えなくちゃいけなくて大変そうだなぁ…
買ってきた唐揚げとPremium台湾ビールを開けた。
ん…あれ…?
買うときに全然気が付かなかったが、なんか唐揚げと一緒に生のニンニクスライスが乗っかってる……。
(っつうか写真見なおしたら蒜(にんにく)香鶏ってでっかく書いてあるじゃん…)
箱を開けた瞬間、部屋中にニンニク臭が立ちこめた。ニンニク臭いなぁ、ってレベルじゃない。クッサ!!!!ってレベル。臭豆腐もなかなか匂いテロだが、狭い部屋で激しいニンニク臭を放ってしまったからには逃げようがない。
ちょっとずつニンニクをよけながら、唐揚げと一緒に食べた。でもまぁ、味は悪くない、というかビールに合う味でとても美味だ。
部屋で食べたことを後悔しつつ、ニンニクと濡れた服の匂いが充満した部屋で、一泊過ごした。
4日目 帰国の日
翌朝。
起きた瞬間に思った。クッサ!!
部屋の匂いは昨日の夜よりマシだったけど、如何せん、息が臭い。胃でニラを栽培しているのかというくらい息がニラ臭かった。
今日の予定は、日本に帰る。それだけだ。のんびりお土産を買って飛行機で帰ることにした。
10時にホテルを出た。
閑散とした朝の西門で、ぽつりと営業していた屋台で餃子を買った(ニンニクで後悔したのにまたニンニク補給)。
軽く小腹を満たすために歩きながら食べようとあえて小を買ったつもりだったけど、1個のサイズが日本で食べる餃子と変わらない…
9個で35元はコスパ最高だけど…き…キツイ…
道端に立ち止まって、僕は必死に餃子を消費した。
10:50 台北駅大冒険
MRTに乗って、善導寺駅へ。
お土産を買うために、スーパーに入ってみた。お土産らしいお土産って、どこでも売ってるようなお菓子とか小物だけど、スーパーに売ってる「変な日本語が書いてあるポテチ」とか、「漢字ばっかりで何味かもわからないドレッシング」とかのほうが、ウケるし安く済む。
…と思ったけど、生鮮品ばっかりで持って帰れるものがあまりなかった。
台北駅なら、いろんなお店があるはず。なんたって都市のインフラの中核を担う駅だ。
とりあえず駅ナカで買い物しようと歩いて台北駅へ向かった。
途中、内政部警政署、行政院、立法院、監察院を通った。
台湾の行政の中枢となるエリアで、東京でいうと永田町にあたる。周辺には国立台湾大学の医大病院や国立博物館も建ち並んでいる(なぜか司法院だけ若干離れたところにある)。
写真は監察院。これも日本統治時代に建てられた建物らしく、とても存在感がある。
大通りに、台北駅地下街の階段がある。空港行きのバス停が台北駅にあるということだったので、歩いて探してみることにした。
途中のお店や本屋でお土産を買いつつ、さまようこと15分。
一向にわからなかったのでインフォメーションで聞くことにした。チケット売り場はここです、と教えてもらった北口のターミナル場所に向かうと、路線バスやら台中・台南へ行くバスのチケット売り場だった。
おや?と思いつつも、空港行きのバスはどうやって買えばいいかを聞くと、ここではなく西口のバスターミナルとのこと。
あああぁぁぁぁぁ!!!!なんでだよ!!
何度かたらい回しにされながら、1時間歩いてようやく空港行きのバスターミナルに行きついた。
分かりづれぇ!!っていうのもあるけど、アレだ。安定の下調べ不足のせいだよね、はいわかってます。
でも台北駅の地図みてよ、初見じゃ絶対迷子になるよ!しかもこの地図に空港行きのバス停乗ってないし。
(地図を拝借したブログ:MRT臺北駅 | 台湾迷(台湾マニアのブログ) – 楽天ブログ)
その後も券売機に100元紙幣が入らなかったりした。たまにはこういう日もあるよね…。
バスの中は行きのバスと同じように日本人ばっかりだった。
いままでどこに行ってもほとんど会わなかったのに、いったいどこにいたんだろう。
13:30 さらば台湾
空港までのバスでは、車窓をぼんやりと眺めながら、楽しかった4日間を振り返っていた。
色々あったなぁ。でも、我ながらよくやったと思う。
そういえば、出る前に目標を立てたんだった。
・台湾料理を堪能する
これは、う~ん。ちょっとケチりすぎた気がする。
ホットスナックばっかり食べてたし。60点。
・心に従い冒険・挑戦してみる
下調べを怠ったことを冒険というなら、達成。75点!
・海外旅行を5万円以内で実現する
これは飛行機代と宿代、食費、お土産すべて込みで5万円以内を達成できた。100点!
ということで、総合評価:100点
楽しめたから結果オーライということで。個々に採点した意味ねぇ!
帰りの飛行機から見た空は、とてもきれいだった。
旅は、非日常。
普段つまらないと感じる日常があるからこそ、こうした非日常が面白いんだと思う。
また日常に飽きたら、旅に出よう。はじめての一人旅で、僕は少しだけ成長した。
帰国した。
疲れのせいか、電車で帰るつもりがリムジンバスの乗り場にいた。
まあいいや、これに乗ってこう…
成田空港から東京駅まで、バスは1時間半。
運賃は、75元。……とはいかず、3100円もした。ただのバスなのに。800元以上した。
やっぱり日本の運賃は高すぎる…
ああ、非日常に帰りたい。
【台湾】 大学時代に思いつきで一人旅したお話 おしまい。
▼当時作った動画たち