早ければ2027年に品川―名古屋間が開業する中央新幹線(リニア新幹線)。
そのリニアの誕生までの歴史や魅力が学べ、実際にリニアに乗ることもできる博物(科学)館の「リニア見学センター/どきどきリニア館」が、山梨県都留(つる)市にあります。
開通前のリニア新幹線に乗れる場所
大月市にある山梨リニア実験線は、実用を踏まえて建設されたリニア新幹線の実験用の路線です。実験線の駅と博物館を兼ねた施設が都留市にあります。
「山梨県立リニア見学センター」です。
明日2月11日は月曜日ですが、祝日につき開館日となります!
11日はリニア走行試験も実施予定!
皆様のご来館をお待ちしております!
(※リニア走行試験は状況により変更、中止となる場合があります。また翌12日火曜日は振替休館日となります) pic.twitter.com/4IjZh9tFZc— 山梨県立リニア見学センター (@YamanashiLinear) February 10, 2019
電車の場合、JR大月駅から富士急行線に乗り換え、禾生(かせい)駅で降りてタクシーで5分ほど。車なら、中央自動車道・都留インターチェンジから車で10分ほどの位置にあります。
でも・・・実物のリニアの体験試乗には予約が必要
リニア見学センターに来たからと言って、リニアの試験走行にいきなり参加できるわけではありません。リニアに乗ったり見たりするには、準備や下調べが必要です。
見学センターでできることは、大きく分けて下の3つです。
- 抽選に応募してリニアに体験乗車する
- 試験走行日にリニアを見学する
- どきどきリニア館でリニアについて知る
1の体験乗車は完全抽選制です。年に3回ほど抽選の機会があり、7日間の試乗日が設けられ、1日6本が運行されます。1回の走行で乗車できる人数は最大150名なので、1年間に乗れる人数はかなり限られます。こればっかりは「乗りたい!」と子供に駄々をこねられても難しそう。
次に2は試験走行日に、通過するリニアを近くで見学すること。協議中ではありますが、正式開通後のリニア新幹線は87%がトンネルで、地上を走行する区間も騒音防止などの為フードで隠れる可能性があるそう。全区間がトンネルとなると、車窓が真っ暗なうえ、外から走行しているリニアを眺めるのはまず無理ということになります。見学できるのは今だけ、という可能性があるんですね~!
そして最後の3は、開館日(月曜日以外)であればいつでも行ける、「どきどきリニア館」に行ってみることです。2014年に開館した小さな科学館で、リニアの歴史やしくみを学べるだけでなく、実物展示や巨大鉄道模型があったりとワクワクする施設であることは間違いありません!
どきどきリニア館だけでもだいぶ楽しめるンです
というわけで、「どきどきリニア館」に行ってみました。どきどき。
節分だったので、鬼になってみました。ええ。わかってます。反省してます。
県立の科学館でありながら、館内にはこうしてユーモアの利いたものが置いてあったりするんです。いいですね。
館内は3階建てです。1フロアごと紹介しましょう。
1階:実際に走っていた車両の展示
まず入館して最初に目に入るのが、この大きな車両です。レプリカではなく、本物です。
2003年に最高速度581km/hを記録した試験車両(MLX01-2)の実物展示がされています。客室部分にも入ることが出来ます。隣には車輪とモーターのかわりの超電導の動力部の展示も。運転席のほうは見られませんが、どうなってるんだろう。というか、リニアって人間が運転するものなんだろうか…。
Q. 運転士・車掌はいますか。
A. リニア中央新幹線の加減速や停止などの走行制御は、地上に設けたシステムによりおこなうことから、運転士の必要はありませんが、お客さまへの車内サービス、異常時の対応などをおこなうために必要な乗務員を複数人乗務させることを予定しています。その具体的な体制につきましては、開業が近づくまでに検討を深め、決定してまいります。
(FAQ|リニア中央新幹線より)
意外と歴史の長いリニア
リニア新幹線の計画がスタートしたのは、なんと日本初の新幹線、東海道新幹線が開通する2年前の、1962年のこと。1972年には浮上走行に成功し、1979年には500㎞/hを超える速度での走行を実現しました。
当時のリニアは特撮の「サンダーバード」に出てくるような未来チックな乗り物の形をしていて、それはそれは近未来と男のロマンを感じる計画だったと思います。
2階:超電導の実験やミニリニアに乗れる体験ゾーン
日本が世界に先駆けて開発した超電導リニアについて、模型や体験型の装置を使って勉強できます。こういう実験って、理科が苦手でもワクワクしますよね。
超伝導というのは、磁石をこれでもかというくらい冷やすと突然電気抵抗が0になるという現象で、リニア新幹線は半永久的に電気が流れ続ける電磁石を使った乗り物。なんのことやらさっぱりかもですが、超高速で走れること以外にも、騒音が減ったり事故が起きる確率が減ったりとメリットだらけの仕組みなんです。
館内には他にも、全体的に小さなお子さんから小学校高学年くらいまでが楽しめそうな工夫がたくさんされていました。そこまで広い施設ではないですが、キッズゾーンや休憩スペースも充実していて、そこまで混んでいないので家族連れには嬉しい施設なんじゃないかと感じました。
3階:山梨県の名所を緻密に再現した大迫力のジオラマ
3階にはミニシアターと、リニア開通後の山梨県の様子を再現した巨大なジオラマがあります。
僕、大学時代に4年間山梨県に住んでいたことがあるんですが、本当に忠実に再現されていてめちゃくちゃ興奮しました。
リニア新幹線だけではなく、JR中央本線のスーパーあずさや、JR身延線、JR小海線、富士急行線、昇仙峡ロープウェイまで再現されていて、どれもちゃんと走ったり止まったりしてます。すごい。
定期間隔(毎時10分、30分、50分)に12分間の音声付きでジオラマが動いたりプロジェクションが上映されたりする時間があります。
山梨県の各名所やイベントが細かすぎるほど再現されていて、地元民が一番楽しいんじゃないかと正直思います。
リニア新幹線に乗るチャンスを逃すな!
リニア新幹線が開通するのは遠い未来のような感じもしますが、工事は着実に進んでいます。予定どおり行けば8年後に東京―名古屋間が開通します。子どもたちが大人になる頃には日本の交通がまた一つ進化した時代になっているんです。
今しかできないリニア体験と最先端技術の結晶を、山梨県で垣間見てみてはどうでしょうか。
山梨県立リニア見学センター(どきどきリニア館)
営業時間 | 9時00分~17時00分 (月曜定休) |
入館料 | 一般・大学生 420円 高校生 310円 小中学生 200円 未就学児 無料 |
ホームページ | www.linear-museum.pref.yamanashi.jp |
電話番号 | 0554-45-8121 |
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