アデレードからシドニーまでの約1500kmの道のりを半分以上運転し、今日は途中のブルーマウンテンズへ。
昨日のオーバーキル・カンガルー事件で心と車に傷を追った我らは果たしてシドニーまで行けるのか・・・?
7日目を終えて
長距離ドライブはするもんじゃない。
そして夜は走らない。これ絶対。
7日目のルート
グロングロン
↓(車)
ナランデラ
↓(徒歩)
ブルーマウンテンズ
グロングロンからナランデラへ
モーテルのサービスが最高すぎた
840kmのロングドライブを経てグロングロンのモーテルで令和を迎え、床についた我々ですが、ゆっくり寝ている時間はありません。4時間くらい寝て、支度をします。
今日も500kmの運転が待ってます。ブルーマウンテンズ観光もしたいので、昼過ぎにはつきたいところ。
いそいそと準備をしていると、モーテルの主人が外に停めてあった車を洗車してくれていました。なんてありがたいんだ…!!
外に出てお礼を言おうとすると、「レストランがあるからコーヒー飲んできなよ。ミルクはいる?」と聞いてきました。お言葉に甘えてストロングなブラックをもらい、優しい主人と婦人と会話を交わしました。
「日本はゴールデンウィークです。今年は10連休なんです」というと、「あら、日本には長期休暇がないの?」と驚かれました。
二人にお礼を言って、モーテルを後にします。
朝からちょくら500kmドライブ
カトゥーンバまではのどかな道を走ります。昨日とほとんど変わらない風景なんでしょうが、明るいだけで運転のしやすさは全然違います。なんて気持ちいい道なんだろう。
しかし、昨日カンガルーを轢いて、外観は特にわからないんですが、車の下の方からガガガガという明らかにヤバい音がするようになっていました。たまに強烈な悪臭もするし、これは完全に誤魔化せません。気が重いですが、夜、サポートに電話することに。
周囲は農園や牧場が多くなってきました。日本の畑や牧場とは比べ物にならないくらい広く、羊が数十匹いるだけの場所に東京ドームが何個建つんだろうというくらいの規模です。
バードストライクを2回ぶちかます
夜中に小雨が降ったのか、道には水たまりがてきていました。するとその水を求めて鳥が路上で水分補給し始めます。
道に鳥がいたらスピードこそ落とすものの、彼らの反応がめちゃ鈍いのと、道の外に向かって飛んだと思ったら車の方に戻ってきたりするので、普通にぶつかります。ぶつかりました。
一度はフロントガラス、一度はサイドミラーに当たり、二度目は衝撃でミラーのカバーが吹き飛びましたが、拾ってはめたら直ったのでセーフです。(鳥さんゴメン)
カンガルーといえ鳥といえ、非は間違いなく人間にあるんですが、道路でたむろするのはちょっと勘弁してほしいです。エゴイズムではなく、そうしたほうがウィンウィンだと思いませんか。
そんなこんなで、車がどんどんボロボロになる様にだんだん笑いが止まらなくなってきました。
工事が多すぎ・速度感知器多すぎ
東側に行くにつれて、道路工事がめちゃくちゃ多くなりました。日本の年末の公共事業並みにそこら中でやってます。
それと同時に道路の監視カメラがたくさんあります。速度感知カメラが一番多く、ライセンスチェックとかもあります。オーストラリアでは速度超過をはじめ交通規則にはかなり厳しいと聞いていましたが、それにしてもカメラの量は驚きの数です(カメラの直前には必ず標識があるのでありがたいですが)。
アリススプリングスからウルルまでは全く見かけませんでしたが、アデレードやシドニーの近くの田舎町には設置されていました。交通違反には気をつけよう・・・
ブルーマウンテンズの街、カトゥーンバに着く
のどかな風景を眺めながら運転していると、次第にゴツゴツした地形になってきました。山道をぐんぐん登っていくと、ブルーマウンテンズを眺望できる街、カトゥーンバに到着します。朝から運転して昼過ぎになんとか着けました!
もう500kmくらい大したことなくなってる…!東京大阪間とかすぐそこに思えてくる…!!ははは!!!
賑わいあるカトゥーンバの街
カトゥーンバは絶景のブルーマウンテンズの観光拠点として海外旅行者が多く訪れるほか、オーストラリア国内からもシドニーから近い景勝地・避暑地として人気があります。
観光産業がメインの街は日本にもたくさんありますが、ブームや景気によって街の活気も上下するのが普通です。バブルのときは大賑わいだった温泉街が、今では廃墟とシャッターの街…ってことも少なくないですよね。
ところがカトゥーンバのメインストリートには、潰れてしまったような店はほとんどありません。しかも、ブルーマウンテンズのお土産屋とかはほとんどなく、洒落たカフェやアジアレストランから、電気屋、ゲーム屋、文房具屋など生活に近いお店も多い印象でした。
カフェでランチしていたら…
「The Yellow Deli」というロータリーの角にあるオシャレなカフェに入ってみました。
洒落たオールドアメリカンみたいな内装の店内と、手厚いおじさんたちの接客、ベジタブルたっぷりのメニューは疲れた体に染みました。
僕らが「日本から来てる」というと、嬉しそうに日本語で書かれたThe Yellow Deliのビラをくれました。
なんと系列店が京都にも店舗があるらしいんです。若いスタッフは「僕も半年間京都にいたんだ」と教えてくれました。こんなところで偶然入った店で偶然な出会い…!嬉しいなぁ、京都に行ったら寄ってみよう。
シドニーから2時間の絶景「ブルーマウンテンズ」
ほどよく夕焼けがきれいになりそうな時間になったので、「スリーシスターズ(三姉妹)」という名前のついた有名な岩がよく見える展望台「エコーポイント」に行きます。
ブルーマウンテンズ(Blue Mountains)というのは、ブルーマウンテンズ国立公園周辺の切り立った山々の総称で、ユーカリの木々が発する水蒸気が光に反射して青い海に見える(だったかな)のでブルーマウンテンと呼ばれるようになったそうです。
ガイドブックでもわかるくらい雄大な景色ですが、ウルルやキングスキャニオンで完全に絶景の価値観が崩壊していた僕らは、最初感動できるか不安でした。
が、無用な心配でした。めっちゃ凄い!超雄大!地球ってすごい!と大盛りあがりでした。
念願のスリーシスターズを拝む
ブルーマウンテンズの絶景のなかにヒョコっと顔を出す3つの岩が、スリーシスターズです。
名前の由来は、アボリジニ直伝の悲しい物語によるものなんですが、諸説あるので紹介は控えます。とにかく、不運なことに岩に変えられてしまった三姉妹があの3つの岩なんだそうです。
暗くなるとライトアップもされます。 スリーシスターズがより浮かび上がるのでオススメです。
スリーシスターズ、お触りもできるんです
エコーポイントから見るスリーシスターズは断崖絶壁にあって絶対に行けなさそうな場所に見えるんですが、実はスリーシスターズにタッチする方法があります。もちろん、危険を冒さない正規の方法です。
エコーポイントから東に、ステアウェイというブルーマウンテンズの下の方まで降りていける階段があります。
スリーシスターズから先の通行は安全のため明るいうちだけですが、途中にあるスリーシスターズまでは急な階段を降りるくらいで、わりと簡単に来れます。
僕もスリーシスターズにタッチ。王子様のキスで岩から生身の人間にもどったりするのがおとぎ話の定番ですが、いま戻られると僕の命が危ないのでキスはしません。
Blue Mountains YHAにチェックイン
今夜はBlue Mountains YHAというユースホステルに宿泊します。外装は歴史を感じるレンガ造りで、中はきれいにリノベーションされていましたが、古い佇まいを残したイイ雰囲気の宿でした。
1階には広々とした共用スペースや広すぎるくらいのキッチンがあり、シャワーやトイレも共用。
シドニーのハーバーブリッジの近くにあるYHAは有名な雑誌の安ホテルランキングで世界2位を取ったらしいですが、ブルーマウンテンのYHAの素晴らしい値段と素晴らしいサービスを見ると納得です。
レンタカー屋にカンガルーを轢いた旨を伝える
夜、部屋で時間をかけてレンタカーの要項(英語)を隅々まで読んで、言い訳を考えました。
勇気を振り絞って(ハルキさんが)レンタカー屋に「死んだカンガルーを轢いたら車から変な音がするようになった」と電話で伝えると、「電波が悪いのでかけ直します」といって切られてしまいました。レンタカー屋に教えてある番号は日本国内の番号だったので、折返ってくるはずもなく。
面倒くさくなったのでメールで詳細をサポート宛に送り、この日は寝ることにしました。
夜なんて運転するもんじゃない。ましてや、カンガルーなんて轢くもんじゃない。今回の旅ではそれを本当に思い知らされたのでした。
8日目につづく