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【タイ】線路の上の市場!ビックリ光景・メークロン線(動画あり)

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タイに約1週間滞在して僕が一番印象に残った場所。それがメークロンでした。
ただでさえバンコクから離れた田舎町で、電車と船とさらに電車と乗り継いで計2時間半という長旅にもかかわらず、交通費はたったの23バーツ(約75円)という色々びっくりな鉄道旅行です。

でも、それだけで驚いてはいけません。メークロン観光は日本では考えられないことの連続でした。

สวัสดีฉัน ฉันรักประเทศไทย มันเป็น Hashino
おっと失礼。タイが大好きなはしのです。ご覧の通り、タイ語はなんて書いてあるかちんぷんかんぷんです。でも安心してください。ちょっと勉強すれば読めるように…というわけにも行かないと思いますが、今の時代、言葉の壁はなんとかなります。

▼メークロンからすぐ、アンパワー水上マーケット編はこちら

水上マーケットって、あんまり聞き馴染みがないですよね。その名の通り、「川の上の市場」なんですが、船の上やに商品を陳列して岸に船を並べて通行人に買ってもらう方式です。よくRPGとかで旅の途中、船に乗った商人がアイテムを売っ...

メークロン線というのは、たびたびメディアで取り上げられるのでローカルさとは対照的に、世界・日本国内ともに知名度は比較的高いと思ってます。
「線路の上の市場」。声に出して読むとジブリ映画のタイトルみたいですが、そのどう考えても異様な光景を、僕は死ぬまでに絶対見ようとテレビを見て決めていました。

ただし、知名度が高いことと観光客の多さは比例しません。たしかに観光地なので海外から訪れる人は少なくありませんが、なんてったってアクセスが悪すぎるし難易度が高いので、冒険心の強いバックパッカーや、インスタガチ勢の方くらいにしかオススメできません。笑
でもこれだけは言っておきます。絶対に後悔しません。こんな体験ができる場所は地球上でここだけです。

メークロンまでの遠い道のり

車でのルートしか表示できなかったので変な軌跡を描いていますが。

A・ウォンウィエン・ヤイ駅
↓ マハーチャイ線
B・マハーチャイ駅
↓ 渡し船
C・バンレーム駅
↓ メークロン線
D・メークロン駅

メークロンまでは、ミニバスやタクシー、募集型ツアーなどで比較的簡単にバンコクから行く方法もあります。
でも僕は鉄道を選んだ。なぜか?バンコクから鉄道で行くとなると少し骨が折れます。でも列車に乗って市場を通過できるんです。眼の前で次々と開いたり閉じたりする市場や、人と建物スレスレのスリルを間近で味わえるんです。

想像しただけでめちゃくちゃテンション上がりませんか!?
…上がらない?それなら、あとで動画を見てください。きっと行きたくなっているはずです。

ざっくりと鉄道での移動方法を説明すると、バンコク中心街から地下鉄を乗り継ぎ、超揺れる列車に文字通りしばらく揺られ、川を渡し船で渡り、再びローカルな列車にしばらく揺られると到着します。
本数も乗換方法も、日本のローカル線沿線住民さえ絶望するほどシビアです。迷って乗り損ねたりしたら3,4時間は待つくらいのシビアさです。いろんな覚悟と予習ができたらこの選択肢を選びましょう。

1.<マハーチャイ線>ウォンウィエン・ヤイ駅

ウォン ウィ エン ヤイ。はい、早口で3回連続で言えますか?

BTS(バンコク高架鉄道)を乗り継いで、BTSウォンウィエン・ヤイ駅まで来ます。そこから国鉄のウォンウィエン・ヤイ駅まで向かいます。名前が一緒なのでBTSと国鉄が接続してるんだ~と楽観しがちですが、駅間は1kmあります。歩けなくないけど面倒な距離。乗り換えの不便さで有名なJR京葉線東京駅ですら、駅の北端からホームまで600mほどらしいので、それよりも遠いです。

駅に着くと、すぐにホームと線路があります。改札や柵はなく、隣の道路からホームや線路をまたいで人が縦断しています。

【ビックリその1】きっぷも案内板もタイ語でなんにも読めん

駅の「みどりの窓口」てきなところで身振り手振りで切符を買います。切符というか、領収書みたいなデカい紙をもらって、発車時刻まで待ちます。
かろうじて英語が書いてあるのでなんとなく意味は分かるけど、すでにたどり着けるのか不安で仕方ありません。

駅内の表示もほとんどタイ語で、車両や駅舎のレベルに似つかわしくない電光掲示板も、タイ語が流れるだけで特に外国人観光客の役に立つことはありません。

しばらく待つと、電車が到着します。いや、架線がないディーゼル車なので、厳密にいうと気動車か列車でしょうか。折り返し運転なので、マハーチャイ方面からやってきたお客さんがぞろぞろと降りてきます。車両は日本製で、THN(東急車輌、日立、日本車輌の略)系というらしい。

席はボックス席で、日本のボックス席よりも二回りくらい狭い気がしなくもないですが、インドの通勤電車ばりに混んでないだけマシです。空調はなく、天井に回転する扇風機が何台かついているだけで、窓を全開にして生暖かい風を浴びたほうがいくらか涼しい気分になれるくらいでした。

【ビックリその2】走っている間、死ぬほど揺れる

車両は安心安全な日本製とわかりましたが、線路はタイ製です。赤道直下で炎天下にさらされた線路が縦横無尽に伸び縮みした結果なのか、あるいは工事や修理がずさんでこうなってしまったのか、線路は歪みに歪んでガタガタでめちゃくちゃ揺れます。常にポイント通過してるような上下左右の揺れで、それなりにスピードも出すので酔いやすい人は要注意です。
とはいえ、1世紀近く走り続けている歴史ある路線で、距離も長いのでメンテナンスもさぞ大変と思われます。多少のガタガタさは許容するべきなんでしょうか。まぁ、脱線しない程度にですが。

予算的に厳しくてこれなら仕方ないですが、運賃が安すぎることに誰も気が付かないのか、これ以上の運賃に設定すると地元民がだれも乗らなくなるのか、いずれにせよ日本円で2,30円の運賃は「安全輸送」という概念を完全に放棄しているように思います。

2.<マハーチャイ線>マハーチャイ駅

しばらく乗るとマハーチャイ線の終点、マハーチャイ駅に着きます。人の流れに乗って駅から出ると、メークロン線へ乗り換えの案内板があるので、それにしたがって乗船場に向かいます。乗船場というのも、マハーチャイ駅とバーレーン駅の間には大きな川があるので、そこは船で横断します。代替の交通手段はありません。鉄道の橋をかければいいのに、と思いますが、そうもいかないのでしょう。
マハーチャイ駅から乗船場は、歩くと地味に遠いです。が、途中マーケットになっているので見ていて飽きないと思います。

【ビックリその3】大量の生魚が直射日光にさらされてる市場

衛生面が全体的に不安なタイですが、市場の魚は絶対に手を出したくないもののひとつです。近くの汚い海で獲れたであろう大量の魚が、とくに保冷されることなく市場で陳列されています。
たいていの観光客はまずこんなものに手を出すはずがないんですが、これを近隣の食堂なんかが買っていて、それを料理として出していると考えるとただ事ではありません。食中毒が蔓延していないのが不思議で仕方ありません。

原付に乗ったの人たちとともに渡し船に乗り込み、船が動き出すと、向こう岸には数分で到着します。すぐそこに河口があるので、川幅がとても広いです。それが故に水量が多く橋が架けられないのかと思います。

向こう岸の渡船場から、メークロン線のバンレーム駅までも、結構歩きます。

3.<メークロン線>バンレーム駅

メークロン線では、不定期で「点検整備のため運休」があるそう。日本では不慮の故障や事故で小一時間運休することはよくあるけど、丸一日平気で休んでしまうのもまたタイらしい。さらには線路補修で2015年5月から翌年4月まで全線運休という、通勤通学に利用していた人にとっては死活問題な暴挙に出たりしています。

バンレーム駅には、華美なペイントの、先ほどと同じくTHN系の日本製の列車が止まっていました。形はほとんど一緒ですが、長期点検をしたタイミングで塗装されたばかりなのか、外観はかなりきれいです。

それもあって、これは線路の歪みも少なく快適な車窓を楽しめるのでは!?と淡い期待を抱いて、列車は動き出します。

【ビックリその4】発車しま~す。ドア、閉まりません。

列車が発車すると、動き出してからではあるものの、1両に両側3枚ずつついている自動ドアは閉まります。が、うち2枚は中途半端に開いているか、完全に開いています。

開いてる!?!?!

タイの国鉄ではドアは装飾品でした。
閉まってれば安全だけど、開いてれば涼しいよね!?という、どっちもメリットとデメリットがあるからどっちでもいい感じが伝わってきます。

【ビックリその5】田舎というレベルにすら達していない田舎風景

犬が一直線の道を爆走していました。この犬に2時間の映画では語りきれないようなストーリーがあるのか、迷子になって野生の勘で走っているのか、単にスパルタのご主人による散歩なのか、真相はわかりません。

メークロン線は本当になにもないところを延々と走り続けます。どれだけ広いんだっていう田んぼ地帯を過ぎたかと思えば、熱帯のジャングルみたいな森を通過したり、町っぽい町に停車したり。
そうそう、タイはタイ米で有名だけど、1つの田んぼで1年に3回収穫できるって知ってました?

 

途中の駅では、日本の駅名標っぽい駅名標がありました。日本製の車両もそうですが、日本がタイに対する支援かなにかでメークロン線に携わったのか、それともただ単に日本が好きな人が多いのか、日本を模したようなものがたびたびあります。

4.<メークロン線>メークロン駅

終点のメークロンに近づいてくると、車内が心なしかそわそわしてきます。みんな物珍しく窓際に寄ってカメラを構えます。僕も全開状態の自動ドアから落ちないようにカメラを構えます。
こんなアングルの映像、映画以外ではなかなか見られないし撮れないですよ。スリル満点。

列車が市場に入っていくと、手が届く近さに市場のポールや商品、線路ぎわによけているお客さんたちがいます。お客さんとはハイタッチできるほどの距離です(上の動画では「Hello!」と声をかけられて返事してる様子も映ってたりします)。

1日に3往復しかしないだけあって、列車が通る時間帯の市場はかなり混雑しています。市場の通路は基本的に線路の幅しかないので、線路の軌道から外、つまり列車が上を通る場所でも車輪と接触しなければ何の問題もないだろ、という問題大有りなご当地ルールが適用されていました。

一見すると廃線跡の線路でお祭りの屋台が出てるみたいです。

【ビックリその6】車両から滴るしずくの正体は…?

動画の22秒あたりで、車両から液体が滴っているのが見えると思います。この日は快晴で雨水が滴るようなこともなければ、車両に空調もないので結露した水が流れることもありません。ではこの市場に並んだ商品に降り注がれている液体は何か。

メークロン線の車両にはトイレがついています。駅に停車中にトイレを使おうとしていた外国人観光客が、現地人らしき人にとがめられていたので、おそらく走行中しか使用できないのだと思いますが、走行中はめちゃくちゃ揺れるのでそれこそ使用できません。

だからゆっくり走ってる時を狙って使うしかないんです。じゃあ、ゆっくり走ってるときって?線路ギリギリのモノや人にぶつからないように速度を落として市場を通過してるときとかがチャンスじゃないですか。
あ、そうそう。停車中に使えないというのは要するに「垂れ流し式」のトイレだからです。

ここまで説明するとなんとなくわかると思いますが、これ以上は皆さんのご想像にお任せします。

まとめ

ぶっちゃけ、この市場は観光客にとっては「買い物する場所」に値しません。そして、どんな観光客でも楽しめる場所ではありません。とにかくアクセスが悪く、衛生面も悪く、危険なうえ、そこまでリスクを犯して、「目の前を電車が通るだけなのが、どうしてそんなに楽しいの?」と感じる方も少なくないでしょう。

でも、実際に見てみたらわかるはずです。アジアらしい良さは、こういう地にあるはずです。
旅に必要なのはお金じゃないと、今回の旅でより強く感じました。だって今回かかった費用75円だし。

 

▼次回はメークロンからほど近い、アンパワー水上マーケットについて紹介します。

水上マーケットって、あんまり聞き馴染みがないですよね。その名の通り、「川の上の市場」なんですが、船の上やに商品を陳列して岸に船を並べて通行人に買ってもらう方式です。よくRPGとかで旅の途中、船に乗った商人がアイテムを売っ...
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