1100年もの歴史のある太宰府天満宮。「学問の神様」と言われるように学業成就で有名な神社ですが、1年で一番のお祭りが行われている3連休でありながら、かなり空いていました。
先日行った福岡旅行のうちの、1日目・太宰府天満宮編です。途中の飛行機で映画「君の膵臓をたべたい」を見ていったので、舞台の巡礼的な気持ちも含めて楽しみました。
太宰府天満宮の歴史
天神さま(菅原道真公)と天満宮
約1100年前の京都に生まれた『学問の天才』、菅原道真(すがわらのみちざね)。
あまりの秀才ぶりに、当時の都の貴族たちは嫉妬心と自分の身を案じて、道真を都から遠い大宰府(現在の太宰府)の大臣に任命し、左遷してしまいました。
その2年後、道真は病で他界します。それから都では不吉なことが度重なり、「これは怨霊となった道真の祟りだ」という噂が広がります。
それから少年に取り憑いた道真のお告げにより、京都・北野に天満天神として祀られ、道真が亡くなった太宰府の地には太宰府天満宮が建てられました。のちに天神信仰が広まり、全国に天満宮が置かれるようになったんだとか。
(このサイトで非常にわかりやすく解説してくれています)
「太宰府天満宮が全国の天満宮の頂点」というのは聞いたことがあったけど、菅原道真の祟りがきっかけで建てられたとは。「天満宮」という名前がつく神社は天神(=菅原道真)を祭神とする神社なんですね。
ちなみに、福岡の繁華街「天神」も、近くにある水鏡天満宮が由来になっています。
どれだけの知性と教養があればここまでの規模と時間を越えて語り継がれるのか…。相当なカリスマ性を持った人物だったんでしょう。
御神牛の頭を撫でよう
境内にある12頭の御神牛(ごしんぎゅう)
境内に入っていくと、ありました。有名な牛さんの像です。御神牛(ごしんぎゅう)という名前の銅像は、頭や自分の体の悪い部分を撫でるとよくなるという言い伝えがあります。
先述した道真の言い伝えとともに、境内にある御神牛の由来も道真と深い関係があります。諸説ありますが、道真の亡骸(なきがら)を乗せた牛車の牛が突然動かなくなったので「道真公の御心によるものだ」としてその場所に埋葬したことからはじまるそうです。
この御神牛、境内の至る所にあって、パンフレットなどでは全部で11頭と書かれているらしいのですが、ネット上では「12頭いるのでは?」「13頭いた!」というちぐはぐな説がささやかれています。
僕も探そうと思いましたが、時間的に6頭で断念しました(笑) ぜひ余裕のある時に探してみてください。
境内には牛の他にも狛犬や鹿、麒麟、鶯(うそ)などいろいろな動物が奉納されています。
また、神社の御神木はスギやクスノキが多いんですが、太宰府天満宮ではウメが御神木になっています。
御朱印もいただきます
御朱印帳は黒地に紫の梅柄のものと、ウグイス色地の梅柄のものの2種類がありました。僕はウグイス色を選びました。
2017年にBEAMSとコラボした御朱印帳が販売されて話題になりました。
本体の初穂料(値段)は1500円です。御朱印の初穂料は志納(気持ちで自由に収める方式)でした。一般的に御朱印の相場は300~500円なので、目安はそのくらいだと思います。
また、「1頁目と2頁目はそれぞれ三重県の伊勢神宮の内宮・外宮でいただいて下さい」と言われ3ページ目に書いていただきました。伊勢神宮、今年の2月にお参りしたばっかりなんだけどな。
夜の天満宮へ
神幸式大祭・出御祭を見守る
9月の閉門時間は、通常午後7時(金曜・土曜日は午後8時半まで)です。
僕が訪れた日は、太宰府天満宮で一番大きな「神幸式大祭」という秋分の日に合わせて行われる五穀豊穣を感謝するお祭りのちょうど2日目でした。
秋分の日当日は千灯明という1000本のローソクを使った催しが行われるそうです。
午後6時を過ぎると、表参道沿いのお店はほとんど閉まっていました。それとは対照に、境内には次々と人が集まっていきます。
といっても、見物客の数よりも圧倒的に白丁烏帽子姿の人のほうが目立ちます。
あれ…?これって一般観光客は参加しちゃいけなかったやつかな?と不安になるほどです。
午後7時、御本殿では出御祭が始まりました。静かな境内に雅楽の音色と祝詞が響きます。
この後、約3km離れた榎社に道真公の御神霊を乗せたおみこしを運び、一夜過ごすんだそうです。
19時より御本殿にて「出御祭」が斎行された後に、「お下りの儀」が執り行われます。この「お下りの儀」では、道真公の御神霊を奉安した御神輿が鐘と太鼓の音に導かれつつ、王朝絵巻さながらに約500人の奉仕の人々が美しい行列を整え、かつて道真公がお住まいであった榎社までの道のりを厳かに進みます。
(太宰府天満宮 公式HPより)
神幸式大祭は終始厳かな華やかさがありました。お祭りといっても縁日のように屋台が出たり派手なおみこしやお囃子があるわけではなく、あくまで伝統を守るため、大切な行事を執り行っているという雰囲気でした。
この日は夜22時以降も行事が予定されていましたが、僕は博多駅周辺に宿を取っていたので早めに切り上げることに。もう少しゆっくり見たかったです。
太宰府天満宮
参拝時間 | <開門> 春分の日より秋分の日の前日まで 6時00分 上記以外の日 6時30分 <閉門> 4月・5月・9月・10月・11月 19時00分 6月・7月・8月 19時30分 12月・1月・2月・3月 18時30分 毎週金曜日・土曜日 20時30分 |
電話番号 | 092-922-8225 |
公式ホームページ | www.dazaifutenmangu.or.jp |
マップ |
参道のカフェでゆっくり&食べ歩き
太宰府天満宮の参道には、有名なスターバックスや素敵なカフェ、食べ歩きできるお店など見どころがたくさんです。
こちらの記事もぜひ読んでみてください。
太宰府天満宮へのアクセス
鉄道(西鉄、JR)
鉄道の場合、太宰府駅が最寄り駅です。西鉄福岡(天神)駅からであれば1回の乗り換えで比較的かんたんにアクセスできます。ちなみに「西鉄福岡(天神)駅」っていうのは、「西鉄福岡駅(通称、天神駅)」という意味ではなく、カッコを含めて正式名称なんだって。日本でカッコつきの駅名は唯一だとか。
西鉄福岡(天神)駅から
西鉄福岡(天神)駅 ―(15分)→ 西鉄二日市駅 ―(5分)→ 太宰府駅
しかし西鉄二日市駅はJRと接続していません。JR鹿児島本線と西鉄はほとんどの区間で並走しているのに、なぜか接続はしていない。要するに、JR博多駅からのアクセスがよくありません…。
JR博多駅から
JR博多駅 ―(20分)→ JR二日市駅 ―(バス:5分)→ 西鉄二日市駅 ―(5分)→ 太宰府駅
僕の場合、後述する太宰府ライナーバスの終バスに間に合わずこのルートを使用しましたが、けっこう面倒でした。乗り換え時間とか加えたら1時間近くかかりました。
西鉄 太宰府ライナーバス 旅人(たびと)
JR博多駅や福岡空港からの直行バスが運行されています。
乗り換えもなく安価でスムーズに太宰府駅まで行くことができます。予約も不要で、鉄道よりもオススメな移動手段です。
JR博多駅から
JR博多駅 ―(40分)→ 太宰府駅
福岡空港 国際線ターミナルから
福岡空港 ―(30分)→ 太宰府駅
ただし、太宰府ライナーバス 旅人には注意点が2つあります。
1つは、福岡空港の乗り場が国際線ターミナル前だけという点。
国内線ターミナルと国際線ターミナルは正反対に出入口があるので、移動には無料の空港連絡バスを利用することになります。が、運行本数は4~6分に1本と多く、移動時間も5分ほどです。
そして2つ目は、終バスが比較的早いということ。運行時間は午前9時半ごろ~午後5時50分と日中だけなので、朝早く出たい方や、午後6時以降に利用したいような場合は鉄道を利用することになります。
さいごに
天満宮の総本山や学業成就ということだけでなく、太宰府天満宮には歴史ある行事や、広くて見どころいっぱいの境内、美味しくて楽しい表参道もあります。
福岡市街からのアクセスもよく、心落ち着く空間はきっと何度来ても癒されると思います。
福岡にいかれた際にはぜひ立ち寄っていただきたい場所でした。